ちーやん夜話集 70-2.番外編 第1回 ingとは積み重ね

ちーやん夜話集番外編 第1回

 ingとは積み重ね

 Scoutingのingは、英文法上では無論「進行形」と名づけ、『スカウトのことを「なしつつある」』という表現である。「いつもいつも」「今の今も」、「スカウト」である以上、いつもスカウティングである。

 私は最近ある動機から、このingを進行形以外に、「つみかさね」と解する気持ちが濃くなった。
 その動機というのは、去る11月3日(※昭和33年)、東京で行われた、汎太平洋ジャンボリー派遣スカウトの、選抜の面接に上京してきた26人のスカウトの中に、親子2代にわたるスカウトを見出したことに発する。しかもその2人は、父を亡くしたた者で、その父は両方とも日連から鳩章を授けられた功労者であった。スカウティングという、広大にして終局のないi遠の路で、父は途中に於てあえなくたおれ、そのバトンはその息子によって継がれて進行しているのだ! 私は、この進行を、単に進行とのみ考えず、「つみかさね」と考えるようになった。

 ただ、進行するだけでは、横だけの運動である。これを「つみかさね」と見るとき、縦の運動となる。換言すれば、時間的進行だけでなく、「そのモノ自体、実質」の成長進歩を私は考えたいのである。
 「私は30年も、ボーイスカウト運動をやっています」ということには、時間的の進行を示すが、果して彼の30年間の修行は、彼のスカウティングの実質を、とれだけ成長させたか? これは時間とは別のモノであるはず。
 即ち、「つみあげ」「つみかさね」が足らなかったら、実質には30年以下...の物と大差ないであろう。
 
 スカウティング創始以来、ここに51年、やがて52年になるので、親子2代にわたるスカウトは、もうザラにある。今や、祖父、父、孫の3代にわたる例が、日本にもぼちぼち出てきた。
 こうして永世にわたって積み重ねられてゆく。これぞ Scoutingである。「つみかさね」なくて、何のScoutingぞや!
 この点でもB-P一家は、模範を示している。B-Pのお孫さんは、スカウトである。

 私は、亡くなったある1人の父スカウトが、今、私の目の前で、テストの答案を書いている子スカウトと大体同じ年頃の時の、同じような考査の時の姿を追憶して、深い感慨にうたれた。

 その夜、仕事をおえて帰宅してみると、この7月末に生まれた私の孫が、宇都宮から来ているのを知った。
 これが、私の3代目の第1号である。私のところの3倍化運動の出発なのだ。

(昭和33年11月13日 記)


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