信仰奨励・人権

【スカウツオウン】 Q&A

「ボーイスカウト滋賀連盟スカウトハンドブック Q&A」より

【キャンプ中の礼拝】
Q.キャンプの期間中の日曜日には、礼拝を行うのですか?
A.いつでもできる「スカウツオウン」を行います。

過去には、ジャンボリーなどの大きな大会では、「日曜礼拝」として、参加スカウトが各宗派に分かれて日曜日の礼拝を行っていたことがあります。現在では、スカウツオウンとして、朝礼後や、その他いつ行ってもよいとされています。スカウツオウンは、教育規定にも記述されています。

【スカウツオウン】
Q.スカウツオウンは、宗教儀礼なのですか?
A.単なる宗教儀礼、またはその代用ではありません。


 スカウツオウンは、その言葉の後ろにある「サービス」という言葉が略されている、と言われています。いろいろな考え方があるようですが、「スカウト自身による礼拝」となるのでしょうか。
 宗教儀礼が教導職のもとに進められるものであるとすれば、スカウツオウンは、教導職に頼らず、スカウトが主導して行うものとなります。ただし、教導職がいないから、単に素人が代わって行うというものではありません。各自の信仰心を高め、ちかいとおきての実践について自分自身の心に問いかける重要なプログラムであり、純然たるスカウト活動なのです。

スカウツオウン
 スカウツオウンは、加盟員各自の信仰を高揚するために行われ、それはちかいとおきての実践をより深めるものである。(日本連盟教育規定1-22)

スカウツオウン
 これは「ちかいとおきて」の実践をより深めるものです。中村知(さとる)先生は、スカウト活動全般の中で、もっとも大切なスカウトによるスカウトのための活動と言っています。 宗教儀礼に代わるものではなく「ちかいとおきて」の理解を深め実践することによって信仰心を高めるようにするものです。 いつでも、どこでも、スカウト自身が計画し参加して自然のままで教宗派にとらわれない形で、自発的な参加が望ましい」と言われています。(スカウトに伝えたい話100選・ボーイスカウト大阪連盟)

【スカウツオウンの方法】
Q.スカウツオウンは、どのように行うのですか?
A.様々なやり方が考えられますが、以下の要素が組み込まれます。

◇ 自分の心と向き合える、静かな時と場所
◇ 心を落ち着かせる、静かな歌
◇ ちかいとおきての実践に関わる訓話
◇ 黙想、黙祷、または祈りの時間

 【スカウツオウンの主導】
Q.スカウツオウンを、うまく主導する自信がないのですが?
A.「うまく」する必要はありません。


 スカウツオウンは、スカウト各自の信仰心を基盤として行うものですから、決して簡単なものではありません。しかし、指導者がその主導を躊躇するほど難しいものでもありませんし、形式的に「うまく」やらなければならないものでもありません。
 そもそも、少年たちの心に直接語りかけることなど、普通は、指導者にとってもそう簡単なことではないのです。うまくいくはずがありません。
 しかし、スカウティングには「強い味方」がいます。まず、スカウトたちはみんな「ちかい」をたてています。「おきて」を実践したいと思っています。そして、心が静まる時間と場所、歌や訓話の力を借りることができます。指導者にも信仰心があります。素直にこれらの力を借りて、スカウトたちを深い信仰へと誘うのです。特にキャンプでは、彼らの感性は敏感になっています。まさに、スカウツオウンにとっては「絶好の環境」なのです。この機会を逃す手はありません。

【スカウツオウンと夜話】
Q.スカウツオウンと、キャンプファイヤーでの夜話は、違うものなのですか?
A.よく似ていますが、違います。


 スカウトの信仰を高揚させる機会は、スカウツオウンだけでなく、活動のあらゆる場面で存在します。キャンプファイヤーでの夜話も、その効果は大きいでしょう。
 しかし、スカウツオウンは、スカウツオウンとしてスカウト自身が自発的に行うことに大きな意義があります。年端もいかないスカウトたちが、自分から自分の心を見つめようとし、ちかいとおきての実践について、自分自身に問いかける大切な時間であり、重要な儀式なのです。

【カブズオウン】
Q.カブの場合は、カブズオウンをするのですか?
A.基本的には、スカウツオウンとは別のものとなります。


 スカウツオウンは、その言葉どおり「スカウト自身が、自発的に」ということが重要な要素です。また、信仰というのも、そういった性質のものであると考えます。
 カブスカウトの年代は、スカウトたちにそこまでの概念の理解と自発性を求めるにはむりがあります。しかし、スカウツオウンに似たやり方で信仰心を芽生えさせるプログラム展開ができるなら、それを「カブズオウン」と呼ぶことになりますが、スカウツオウンとは別のものです。

引用:「スカウトハンドブック Q&A」(滋賀連盟 創立70周年記念版)より

Scouts’ Own service  スカウツオウン サービス